白い蜘蛛

a0032559_013317.jpg3月に「Nord Wand]を見に行ってから、もう一度30年ぶりに白い蜘蛛を読み返してみようと思った。

そして、GW明けに「運命を分けたザイル2」がDVD化されたと友人のブログで紹介されていたので、早速借りてきた。
確かにジョー・シンプソンの映画なので「運命を分けたザイル」の続編といってもいい内容なのだけど、この邦題はあまりにも安直過ぎるのではないか?
現在のアイガーを著者が忠実に辿る映像と過去のドラマ(たぶん)をうまくミックスさせて、見事に映像化したすばらしいドキュメントになっている。

ペルーアンデス山脈、高度6400mで遭難した登山家たちの極限状態をリアルに描き、劇場大ヒットを記録した『運命を分けたザイル』の感動と迫力が再びスクリーンに帰って来た。事故後ジョーは6度の手術を繰り返し、9ヶ月間ギブスをはめ、歩行不可能とまでいわれるが、厳しいリハビリを続け奇跡の復活を遂げる。山への情熱を絶やすことなく“挑戦あるのみ”と意気込む彼は、尊敬する伝説の登山家トニー・クルツの最期の謎を追い巨大絶壁へ挑む!そこは、アルプスで非常に難度が高く危険なため、登山家たちからは「妄執の塊」と呼ばれるスイスアイガー北壁。高さ1800mの垂直の岩壁、 日が当たることはない“死のビバーク”と呼ばれる大氷田、数々の難所をクルツと同じルートで登攀していくことで、自身の壮絶な過去と彼の体験が重なっていく。たった1本のザイルが運命を決める究極の選択。生か、死か、切らなくては死んでしまう  
世界中を興奮と感動で震わせたもうひとつの「真実の物語」が今、蘇る。

原題 The Beckoning Silence
ロジェ・シャーリ、シモン・アンターマッテン、
アンドレアス・アベグレン、シリル・ベルト、
ジョー・シンプソン

a0032559_031888.jpg監督・製作:ルイーズ・オズモンド
原作:ジョー・シンプソン「The Beckoning Silence」
ナレーター:スティーブン・マッキントッシュ
撮影監督:ジェレミー・ヒューソン
音楽(作曲):ジャック・アーノルド
エグゼクティブ プロデューサー:ジョン・スミッソン
ジリアン・ウェア、編集:ベン・レスター

2007年 イギリス 74分


この2本の映画で取り上げられているトニー・クルツの悲劇は500ページを超える「白い蜘蛛」の
中では僅か20ページほどにもみたない。
それでも、ジョーの一生を左右するほどの強烈な印象を残したのだ。
30年ぶりに読みかえしてみても、この名著は今でも僕の中で全然色褪せていない。
それどころか一文一行に山への思いがあふれていて、ページをめくるのが惜しいという感覚を久しぶりに味わえたのである。

僕が山を始めた頃にも見たことがない麻のザイルをつけて、僕の心は今アイガーにいる。
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by kounoproclimb | 2010-05-20 22:39
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