グレードを考える

友人に
「フレンチグレードの6aって、日本のグレードだとどれくらい?」
と質問された。
「うーん、10Aぐらいかな~」
ここで、妻が異論を唱えた。
彼女の体感では、どう考えてももっと難しかったらしい。

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僕が返事した根拠をよく考えてみると、どうもこの表あたりが原因だ。

「フリー・クライミング上達法」 W.ギュリッヒ / A.クービン著

仕事柄、殆どのクライミング入門書をもっているが、グレード対照表が載っているのを確認できたのはこの本だけである。
日本国内だけで登っている場合は必要ないし、あえて読者を混乱させる事もないからだろう。

ところで、ロック&スノー #040号の編集後記に、グレード対照表が載っている。
何の解説&注釈もないところを見るとたまたま空いているスペースがあったので~
何も考えずに載せました。
という感が強い。
(注釈はボルダーの段級システムについてのみ、)

僕はルートグレードについてだけ、考えていきたい。







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一見、キレイにまとめられている様にみえるが、フレンチグレードでは8A以上、オーストラリアグレードでは24以上だけが日本グレードとスライドしていて、後のローグレードはスキマだらけだ。
これでは、上級者偏重で初中級者を軽視していると解釈されても仕方がないだろう。

僕はグレードシステムはその岩場にいってトライする時の目安ぐらいに考えていて、
絶対的なものではないと知っている。
デシマルはデシマル、フレンチはフレンチで別々に考えればいいのだ。

「郷にいっては郷に従え」

日本にはすばらしい諺がある。
しかし、そうはいってもせっかく雑誌に載せるのにこれではあんまりではないか?

どうしても気になって、家にあるTOPOを片っ端から調べてみた。

左下が「ISLANDS IN THE SKY」アメリカ・ラスベガスのトポ、
右下がオーストラリア・アラピリーズです。










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最後にタイ・プラナーンのトポ・・・・・
こうしてみると見事にばらばら、グレード一段階どころではない多様性である。
結論からいうと日本グレードと海外グレードの決定的違いはローグレードである。
5.9~10クラスが甘くて、12A前後が異常に辛い。
そもそもアメリカと日本は同じデシマルなのにずれがあるのが問題だ。
アメリカにツアーに行った多くの日本人クライマーがアメリカのグレードは甘くてお買い得と発言しているがこれは本末顛倒だろう。
どちらが本家なのか、少し考えれば分かることだ。


((ちなみに僕の体感グレードはアメリカのトポが一番近くて、現在の日本標準とはずれがあるような気がする。))
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by kounoproclimb | 2008-07-22 09:25 | その他
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