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Mount

Mount_a0032559_11573324.jpg物心がついてから、現在まで両手で数えられないぐらい、数多くのカメラを手にしてきた。
何故かなりマニアックな僕が最終的にキャノンっていうもっともメジャーな大メーカーのデジタル一眼を使うようになったのか?
今でも日本という小さい国の中で、信じられないほどたくさんのメーカーが競争し、生き残っている。
そして、レンズが交換できるシステムカメラの厄介なところは、各メーカーごとにマウント形状が違い、互換性がないというところなのだ。
もし、他メーカーのレンズをちょっと試してみたくても、浮気はできない。
システムをごそっと買い換えるか、諦めるしかなかった。

ここにマウントアダプターと呼ばれる小さなリングがあります。
これをカメラのボデイと他メーカーのレンズの間に取り付けることで、装着が可能になります。
もっとも、オートフォーカスは使えず手動でピントを合わせなければなりません。
それが敷居の高さとなって、上級者向きのテクニックだと思われてきました。
しかし、デジタル一眼になり、幾らでも試行錯誤できるため4~5年前から一気に初心者でも楽しめるようになったのです。

フランジバック
フランジバックとは、レンズのマウント面から撮像素子間での距離をいいます。
ちなみにキャノンのEOSマウントは44mm、ニコンのFマウントは46.5mmなので2.5mm幅の
アダプターをかませてやればニコンのレンズがキャノンで使えることになります。
逆にキャノンのEFレンズはニコンには着きません。
この44mmという数字が数多くのアフターメーカーがアダプターを造るきっかけになりました。
今ではフォーサーズを除くほとんどの国産レンズのみならず銘玉とよばれる古今東西のオールドレンズが
EOSマウントで楽しめるようになったのです。

置きピン
APS-Cと呼ばれるスタンダードな規格のデジタル一眼のファインダーは見ずらくて、
マニュアルでピントを合わせるのは容易ではありません。
でも、昔のマニュアルレンズには、無限大∞のマークがありました。
僕はほとんどが風景写真のスナップなので被写界深度の深い広角レンズならあらかじめ、ピントを無限大にあわせておいてF5.6ぐらいまで絞ってやれば3m~遠景までピントが来ます。
現代の最新カメラにも欠点はあり、フラットな画面や、暗い夕空などではオートフォーカスが迷ってなかなかきまらないときがあります。
マニュアルレンズならピントも露出も今までの勘であらかじめセットしておけば、フレーミングするだけで速写が可能なわけです。

オールドレンズの深淵
現在、SONYはカールツアイスと、パナソニックはライカと提携してレンズを供給してもらっています。
どちらもカメラメーカーとしては、歴史が浅くもともと家電メーカーなので錦の旗がほしいというところですね。
日本には、数多くのレンズメーカーがあるのに、戦前から生き残った西ドイツの小さな会社のブランド力に頼らなければならないというところにカメラ業界の苦悩が垣間見えます。
ただ、生産は日本なので外見はベンツだけど中身はトヨタと言うイメージはぬぐえません。
そして日本製らしくどんな時でも現代的で安定したきれいな写真が撮れます。
ライカやツアイスといっても最新設計なので、写りはいいに決まっているのですが、あまりにも値段が高すぎます。

昔のレンズは逆光に弱く、癖があり、個性的でした。
でも、そんな弱点だらけのレンズも条件がびたっとあえば、身震いするような繊細さと空気感を表現でき、
手放せなくなります。
レンズの評価は往々にして、数字だけで判断しがちですが、オールドレンズにはスペックだけでは計り知れない奥深さがあるのです。
by kounoproclimb | 2009-05-18 10:00 | カメラ、写真
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