人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Root

夏も終わろうとするある日、数十年来疎遠だった親戚から連絡があった。
「〇子おばさんが亡くなったよ」
僕がショックだったのは、初めて聞いた名前のうえに、40年前に亡くなった父の身寄りが最近まで
生きていたという事実だ。たった一人で身寄りもなく亡くなった叔母は僕のことを知らなかったのか、
知っていても会いたいと思わなかったのか、今となっては知る由もない。
不思議なことに、今まで父の家系にについて深く考えてみたことが一度もなかった。
それは母方の家系が江戸時代まで遡って、しっかり分かっている事や父について語ってくれる人が
もう身近にいないのが原因なのかもしれない・・・・・・
どちらにせよ、僕はかなり情に薄い人間なんだろう・・・・・・

叔母との血縁関係を証明する。
たったそれだけのことが大変だった。
物心ついてから、母が亡くなるまで9回の引越し、阪神大震災も経て現在まで17回、住む所が変わっている。
学業や仕事の関係で本籍を何回も移しているので、ひとつひとつ辿っていくしかないと役所にはいわれた。
僕の出生記録も半世紀経つとすでに保存されていない。





Root_a0032559_2325616.jpg

父とおばが眠るお寺は想像以上に大きくて、たくさんの人でごった返していた。
受付してもらうのに1時間以上並び、勝手がわからない中名前を呼ばれ、
どの部分の読経が自分の分だったのかもわからないまま、総て終わっていた。

法事というのは、生きている人間側の自己満足にすぎないと考えれば、いつでも参拝できるここのお寺は
現代風で僕にはちょうどあっているのかもしれない。

次は来春の納骨供養大法要に訪れてみたい。
by kounoproclimb | 2009-12-13 23:25 | その他
<< 新作 Team5.10 >>