カテゴリ:本,雑誌( 14 )

剣沢幻視行

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またもや雨で楽しみにしていた山行が流れてしまった。
というわけで未読だった取って置きの本を・・・・
少し、ページを繰ってみればたちまち心は剣の深山幽渓に飛び、頬を濡らすような気がするのは大瀑布の飛沫なのか?
真夏の夜中に読むには最高の一冊なのかもしれない。
ちょっと紹介してみようと考えたが、少し山を齧った人なら和田さんの名前を知らないわけがないし、知らない方に和田氏の魅力を語るのは僕の稚拙な文章では役不足な気がする。WEBでレビューを探してみれば多くの方が和田氏の文章を引用している。氏は詩人でもあり、それだけ文章に力があるからだろう。

この本のタイトルには既視感がある。そう思って調べてみたら、岩と雪168号に同タイトルの原稿がある。この本は「岳人」2009年1月から2011年4月までの24回分の連載をまとめたものらしいが元ネタはもっと古かったのである。
何回も何回も読み返した「岩と雪」のバックナンバーから僕も和田氏の文章を一部引用してみよう。あえて出典は記さない。

<<この山域での山行計画は常に悲観的に見積もっておかなければならない。
後立山や穂高のように容易にエスケープ出来ない事がある。あのドカ雪の前には、いかに体力技術的に優れた登山家でも、自分の非力を思い知らされるだろう。・・・・・・最近の流行りのラッシュ軽装で駆け抜ける山行は勧められない。山が受け入れてくれる時は、手応えのない春山気分で終わるし、反対に拒否されて荒れ狂うと万事窮すである。他人の記録を参考にするときには、成功のそれではなく、失敗や遭難の記録に注目した方がいい。冬山登山の全てのエッセンスがはいっている山塊だ。そして、ほとんどの場合、登山者の期待は裏切られない。気分の滅入る、胃の痛くなる様な日々を過ごせることを約束する。>>




内容紹介

ヒマラヤにおけるアルパインスタイルを初期から実践し、日本の伝統的な登山法と欧州のアルピニズム的な登り方を融合した日本を代表する登山家の半世紀。 その登山観を創り出し、支えたのは世界一の豪雪といわれる厳冬の剱岳、黒部での数々の経験だった。 とりわけ幻の剱沢大滝へと肉薄する姿は、山恋を超越して山に没頭する男の魂の叫びとなっている。剱岳や、ヒマラヤでのエピソードを豊富に紹介しながら、昭和の登山史、そこに挑んだ登山者たちの思いを綴り、「登山とはなにか」の答えにまで迫る。 登山専門誌「岳人」に長期連載され、その簡潔で誠実、迫力ある登山報告や独自の登山論が注目を 集めた。知られざる厳冬期の剱岳と黒部渓谷の貴重な解説書でもある。


内容(「BOOK」データベースより)

冬剱雪黒部を縦横無尽に駆け巡り、ヒマラヤの高峰群で奮闘!日本土着の登山とアルピニズムを融合させた最後の“怪物登山家”が語る風雪の峰々への限りない憧れと、数々の闘いの記録。


著者について

1949年、高知県生まれ。大阪市立大学出身。黒部峡谷の幻の剱沢大滝を見て登山に熱中。剱沢大滝初溯行。ゲントIIとランタンリルンに初登頂。剱沢積雪期溯行。先鋭的な登山法で、8000m峰のカンチェンジュンガ、ナンガ・パルバットなどに登山し、世界的な登山家として注目を浴びる。滑落事故で、膝に致命的な障害を受けたが、怪我を克服して、冬の剱岳・黒部、ヒマラヤと鮮烈な登山を続け、日本の登山界を牽引してきた。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

和田/城志
1949年10月21日、高知県香南市夜須町に生まれる。高知県立追手前高校を経て、1969年、大阪市立大学工学部応用物理学科に入学する。登山は高校時代より始める。本格的な登山は大学山岳部に入ってからである。1972年、大学を中退し、大学の仲間たちとダイコー産業株式会社を設立入社する。冬の剱岳、雪の黒部川を中心に、冬山登山を続ける。1987年、同社退職、北アルプス立山で遭難、二年間無職。登山を一時止める。その後、家具会社に就職、登山を再開する。1999年、体力の限界を感じ、登山の一線をしりぞく。2007年、母の介護のため退職し、無職になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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by kounoproclimb | 2014-09-01 10:16 | 本,雑誌

Rock&Snow #058

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久しぶりの更新です。

今号もかなりの盛りだくさんの内容・・・
でも、特集「日本のボルダー名課題165」を見て驚きました。
何かたりないのです・・・
何回も読み直してやっと気がつきました。

沖縄のボルダーが全然載ってないのです。

もう一度、読み直して25ページの右端にちいさな次号予告を発見、
載せられなかったエリアが続編に載るそうです。

いろんな事情があるのでしょうし、編集方針に文句をつけるわけではないけど
他に方法はなかったんでしょうか?

僕は「岩と雪」時代からの愛読者です。
(ロクスノに変わった時、内容に失望して購買しなかった一時期があります。本棚に並ぶロクスノの欠番は僕の汚点だと思っています)
岩と雪のバックナンバーは古本屋を廻り一冊づつ買い集め、
2か月に一度の発売日には朝からそわそわし、40分しかない会社の昼休みに一番近い本屋さんまで走って買いに行ってました。
何故ならその本屋にはいつも2冊しか入荷がなく、売り切れてしまうと週末に大きな書店まで
出掛けなくてはいけなかったから・・・・

今、ネット社会になってクライミング情報もすぐに手に入る時代、それでも紙媒体で読みたい
記事と写真がある。そんな愛読者の事を本当に真剣に考えていてくれるんだろうか?

また、辛いコメントになりましたが・・・

今回、一番感銘を受けた記事は木織隆生氏の「家族で登ったデビルスタワーとギル・クラシックが今に伝える物」です。
他にもいい記事が満載なのでよろしく・・・・
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by kounoproclimb | 2012-12-10 13:53 | 本,雑誌

Rock&Snow #056

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by kounoproclimb | 2012-06-07 09:24 | 本,雑誌

Rock&Snow #055

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by kounoproclimb | 2012-03-10 23:50 | 本,雑誌

Three Cups Of Tea

一杯目はよそ者   1杯目のお茶は、突然訪れた旅人のために

二杯目はお客  2杯目のお茶は、ともに力を合わせる友人のために

三杯目は家族  3杯目のお茶はずっと寄り添ってきた家族のために


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1993年秋、著者はK2登頂を目指していた。
入山して70日が過ぎ、高山病になった友人を不眠不休で救助し、パキスタン軍のヘリに引き渡したが、もう自分たちには再び山頂を目指すだけの体力が残っていないことが分かっていた。
ベースキャンプにいても一向に体力は回復せず、下山するしかなかった。
いつしか、仲間やポーターともはぐれ、道に迷い、半死半生である村にたどりつく。
そこは19世紀に戻ったような貧しくて質素な村、しかし人々は素朴で温かく、優しくもてなしてくれた。

a0032559_0523820.jpgお世話になったこの村になにか恩返しがしたい。
よく見れば子供たちは、冷たい地面にすわり、木の枝で文字を書いている。
「そうだ。ここに学校を建てよう」

しかし、飛行機を三つ乗り継ぎ地球を半周してアメリカまで帰ってくると村長との約束は、時差ぼけのせいで機内で見た映画のように現実感がなかった。
そう、彼は仕事も家もなく、ただ体が頑丈なのと真面目だけが取り柄の貧乏人だったのだから・・・・・

彼の生き様は本当に不器用だ。
仕事を失い、恋人に去られ、それでも自分の信念を見失わない。
大変な苦労の末に、やがて学校は完成する。

それだけでは、ただの美談で終わっていただろう。
この本ではまだそこまでで半分なのだ。
その先はぜひ、ご自分で読んでいただきたい。

僕は世界を震撼させた9.11以降、いろんな本を読んできた。
しかし、なにかもやもやした感はぬぐえなかったし、もどかしさを感じていたのだ。
この本のような視点ははじめてだったし、目が覚める思いがした。

たった一人の男の情熱が世界を救うのかもしれない


内容紹介
2001年9月11日、アメリカで4機の旅客機が、次々とビルに激突、または墜落した。
そのとき、敵地(アフガニスタン)にいた一人のアメリカ人青年は、世界中の"大きな誤解”に気づいていた。

全米で360万部突破。ニューヨークタイムズ・ランキング30週間1位。ベストセラーリストに154週ランクイン。
話題の感動ノンフィクションがついに上陸します。

世界一の難所とも言われる"K2”登山に失敗した一人のアメリカ人青年グレッグが、パキスタンの山間にある小さな村で助けられた。村人たちの優しさに胸を打たれた彼は、恩返しをしようと再びこの地に戻り「学校を作る」と約束する。
貧しいグレッグはアメリカ各地を奔走し、資金を
かき集めて戻った。だが保守的なイスラムの地にあって彼は異教徒だ。苦労して手に入れた学校の資材を奪われそうになったり、隣村の長老たちから恐喝されたり、タリバンに監禁されたり、
追放勧告を受けるなど、数々の困難をしいられる。それでも変わらぬグレッグの意思と愛情がイスラム社会に次々と変化を起こし、やがて彼は国中から尊敬されるようになる。そんな折に「9.11テロ」が勃発。“敵国”で活動するグレッグは突然窮地に立たされる。アメリカ中の国民がグレッグを非難、反対にイスラムの人々は必死にグレッグを守ろうとする。そのときグレッグが見つけた道とは?
内容(「BOOK」データベースより)
1993年、ひとりのアメリカ人男性がK2登山に失敗し、パキスタンの小さな山村で助けられた。村人たちの手厚いもてなしに胸を打たれた彼は、恩返しをしようと再びこの地に戻り、「女子のための学校を作る」と約束する。だが、お金もツテもない。しかもそこは女性の権利が制限され、タリバンのような過激派が勢力を広げる保守的なイスラム社会。いにかして男はこの無謀な取り組みを成功に導いたのか。全米が熱狂した真実の冒険ストーリー。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
モーテンソン,グレッグ
CAI(中央アジア協会)会長。元登山家で退院軍人でもある。毎年数ヵ月間、パキスタンとアフガニスタンで活動し、学校を建てている。モンタナで、妻と2人の子どもと共に暮らす

レーリン,デイヴィッド・オリヴァー
地球を駆けめぐって活動しているジャーナリスト。その著作や編集活動により、これまでに40以上の賞を受賞している。アイオワ大学創作科にて執筆と指導法を学び、『パレード』や『スキーイング・マガジン』に記事を寄せている。オレゴン州ポートランド在住


コルフェ村の村長ハジ・アリの言葉 (ネタばれあり)
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by kounoproclimb | 2011-01-18 22:52 | 本,雑誌

Rock&Snow #050

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by kounoproclimb | 2010-12-05 09:47 | 本,雑誌

Freefan #062

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目次[連載]
日本の岩場を斬る~新田ロン編
ビッグエリアの隠れた名岩、三峰・太陽寺エリア
 [文:新田龍海 写真:井上大助、室井登喜男]
[MADE IN JAPAN]
木製ホールドメーカー「VOCK」主宰 長谷川勘太郎
 [聞き手:室井登喜男]
[クライミングの技術]
 フリークライミング安全三種の神器“ビレイグローブ”
  [文と写真:室井登喜男、写真:森山憲一]
国内で入手可能なビレイグローブカタログ
  [文と写真:室井登喜男、写真:井上大助]
[紀行]
降りることと登ること
ある36歳のヨセミテボルダリング・ソロツアー
  [文と写真:萩原良平、写真:BOTCH]

[コラム]
Isle of Miyake
  [文と写真:榎戸雄一]

[ローカルレポート 2010年4月~8月]
  [構成:鈴木真史、阪井学、井上大助、室井登喜男]
2010年道場周辺の清掃活動報告  [文と写真:藤尾哲也]
第4回 勝山の岩場清掃活動  [文:馬場功次、写真:新田育夫]
第6回 備中の岩場清掃・草刈活動報告  [文と写真:小野岳]
長崎県・竜頭泉のボルダーエリアを紹介  [文:牛澤敬一、写真:小池徳久]
第三回 香落渓アクセスミーティング  [文:東川邦和]
河又の岩場解禁記念登山道整備  [文と写真:室井登喜男、写真:井上大助]
こうもり谷草取り活動  [文:新田育夫、写真:梅津朋弘、井上大助]
天王岩の利用について  [文:室井登喜男]
甲府幕岩でリボルト講習会を開催  [文と写真:室井登喜男]
黒山・聖人岩の利用について  [文:室井登喜男]
[The Competition]
2010年度上半期 コンペレポート[文と写真:伊東秀和]
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by kounoproclimb | 2010-09-20 13:03 | 本,雑誌

インパラの朝

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表題と写真に引かれて、偶然手に取ってみた。
25歳の若い女の子がアジア~中東~アフリカ47カ国を2年間かけて貧乏旅行したエッセイだけど
クールな文章と骨太な描写に引き込まれ一気に読破してしまった。
国境を越えるため、二度も偽装結婚する話や深夜爆走するトラックの荷台で生理を迎え、パイプを握る手を離せないためズボンが真っ赤に染まる話などは普通の女性バックパッカーのレベルを軽く超えている。
読み終わるまで、今年の高校生の夏休み課題図書に選ばれていることや2009年度の
「開高健ノンフィクション賞」を受賞していることさえ知らなかった。

ちょっとタイトルにもなっているケニアのシーンを引用してみよう。

「私の眼前に一頭のインパラが現れた。黄金の草地に足を着き、透き通る大気に首を立て、たった一頭でたたずんでいた。インパラは草を食むこともなく、歩きまわることもなく、緊張している様子でもなく、だからと言って気を抜いてくつろいでいるふうでもなかった。誰かに追われることもなく、何かを追いかけることもなく、静かにそこに立っていた。インパラの濡れた美しい目は、周囲のすべてを吸収し、同時に遠い世界を見据え、遥か彼方を見渡していた。 ヴァンは速度を緩めることなく、近くをそのまま走り過ぎた。私は体を乗り出してインパラの姿を追いかけた―そのしなやかな筋肉と悠然としたまなざしを」

読み終えてから、今も更新されている彼女のブログ【安希のレポート】も読んでみて、あまりの文体の違いに驚いた。
たぶん、ブログの文章で書かれた本だったら僕は最後まで読んでなかっただろう。
考えてみれば本に載っているエピソードはあまりにも切れ切れで繋がりもなく、そっけない。
たぶん、出版する段階でかなりのてこ入れ、練り直しが要求されたであろうことかとは想像に固くない。
だからこそ、賞も取れたのであろうし、たくさんの人に支持されたのだ。
しかし、ブログに書いている文章こそが若い女性の等身大の文章であることも事実なのだ。

これから、時間を懸けてブログの方も読んでみよう。
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by kounoproclimb | 2010-09-20 11:38 | 本,雑誌

Rock&Snow #049

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by kounoproclimb | 2010-09-05 21:42 | 本,雑誌

トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか

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あの事故がおきてから、あっという間に一年が経ちました。
3月27日に神戸の登山研修所で行われた「トムラウシ遭難を考える」シンポジウムには残念ながら仕事で参加できなかったのでこの本の発刊を心待ちにしていたのです。
僅か一年で、発刊までこぎつけられたのも、単なるツアー会社が引き起こしたガイド付き登山というだけでなく、登山界全体の問題と捉えている出版社の危機意識でしょう。
本書は4人の専門家による共著でどこからでも読み始められます。
生存したガイドさんの一年を経て初めてのインタビューも圧巻です。
リスクマネジメントという観点からだけでも、是非いろんな方に読んでいただきたいです。


トムラウシ山遭難事故とは、2009年7月16日早朝から夕方にかけて北海道大雪山系トムラウシ山が悪天候に見舞われ、ツアーガイドを含む登山者9名が低体温症で死亡した事故である。夏山の遭難事故としては近年まれにみる数の死者を出した惨事となった。
同ツアーは旅行代理店アミューズトラベル社(本社:東京都千代田区)が主催したもので、トムラウシ山や旭岳などを2泊3日で縦走する予定であり、50~60代の客15人(男性5人(A、B、C、D、E)、女性10人(a、b、c、d、e、f、g、h、i、j))とガイド甲(ガイドリーダー)、乙(サブガイド)、丙(添乗員)の3人が参加していた。ガイドのうち甲、丙の2人は今回のコースは初めてだったという。





目次
第1章 大量遭難
     十五人の参加者と三人のガイド
     ツアー初日
     差が出た濡れ対策
     出発の判断
     異変の兆候
     足並みの乱れ
     一気に進んだ低体温症
     介抱か下山か
     決死の下山
     遅すぎた救助要請
     喜びのない生還

第2章 証言
     面識のなかった三人のガイド
     なぜ出発を強行したのか
     聞けなかった「引き返そう」のひとこと
     支えてくれた人たちのありがたさ

第3章 気象遭難
     遭難時の気象概況
     トムラウシ山周辺の気象状況
     遭難時の気象の特異性
     気象から見たトムラウシ山遭難の問題点

第4章 低体温症
     低体温症との接点
     低体温症の基礎
     トムラウシ山パーティの低体温症
     他パーティの低体温症
     低体温症の医学的考察
     多様な病態を示す低体温症

第5章 運動生理学
     気象的な問題
     身体特性の問題
     体力の問題
     エネルギーの消費量と摂取量
     事故防止に向けた提言

第6章 ツアー登山
     ツアー会社は山のリスクを認識していたか
     安全配慮義務と旅程保証義務
     ガイドの資格問題
     商品に反映されるツアー客のレベル
     それでもツアー登山に参加するワケ
     ツアー登山と自己責任

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by kounoproclimb | 2010-08-30 14:22 | 本,雑誌