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ロード・シェアリングとは~
英国南東部の町、アッシュフォードは昨年、町の中心部を取り巻く環状道路を大改造した。
徒歩で中心部に向かう人が横断するのに、危険だったからだ。
一方通行だったのを対面通行に変え、道幅も狭めた。中心部に接する1.6Kmの区間では
4箇所の信号機をはじめ、横断歩道、歩道の縁石、ロータリー、様々な交通標識を取り払った。
アスファルト舗装を剥がしてレンガを敷いて、制限速度は時速32Kmに下げた。
これまでは車を走らせることを最優先に、車と人を分離し、様々な規制を加えることで
道路の安全を図ってきた。今回の改造はこれらの規制を取り払い、ドライバーが自らの責任で
慎重に運転するように仕向けたもの・・・・・
一方、歩行者は近づいてくる車と視線をあわせ、お互いに了解したところで道路を渡る。
車、人、自転車が等しく道路を共有する、この「道路シェアリング」の試みにドライバーや
身障者の団体からは危険すぎる、事故が起こるのは必至、との批判がでている。
だが、オランダから始まったこの試みは、EUの支援のもと、ドイツ、スウェーデン、イギリスなどに
静かに広がりつつある。
~JAFの機関紙、ジャフメイト3月号より~

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昨年、フランスを旅した時にマルセイユの友人宅に滞在して思ったことがある。
この町で車の運転はしたくないなあ~である。
市街地ではバス、地下鉄、路面電車などが縦横無尽に錯綜、いや交通機関が充実している。
場所によってはどこまでが車の道路でどこからが歩道なのかさっぱり分からず、そこに路面電車がかなり高速で滑り込んでくる。
しかし、歩いていて怖いとは全然思わない。交通社会がそれだけ成熟しているのだろう。
つまり、本当に車が必要な人だけしか運転したくない街作りが成功しているのだろうと思う。

較べて、我が家の近所、伊丹警察署の一番近くにある横断歩道に立っていてもまず車は止まってくれない。
下手に止まれば後から追突されかねないし、みんな歩行者なんかに注意を払ってないからだ。
何故、こんなことになってしまったのだろう。
日本では、歩行者・自転車・バイク、クルマのそれぞれが、自分たちの権利を主張し、異なる交通手段を使う者に対する敵意に満ち溢れている。
欧米では自治体が道路交通をコントロールできるのに対し、日本の道路交通は警察が完全に牛耳っていて、一般市民に道路交通の意見を主張できる場所はない。
ルールやマナーというのはもともと強制される性質のものではない。
縦割り行政で高圧的な規制で、ドライバーの自発的な交通社会に対する意識をねじ曲げてしまっているところから、ひずみが生まれてきているように思う。

日本で交通弱者が信号のない町をのんびり散歩できる日はくるのだろうか?
by kounoproclimb | 2009-02-23 16:18
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