僕の村では年に一度、長老が子どもたちに聞かせる話がある。

”ひとりの猟師が猿をしとめようと森に入った。
ほどなくして、低い木の枝にのんびりと座っている猿が見つかった。
猿は猟師を少しも気にしているふうではなかった。
彼が近づくにつれ、枯葉を踏む音がかさこそ聞こえてもいっこうにお構いなしである。
彼は充分に近づいて、猿がはっきりと見える場所までくると木の陰に身を隠して、
ライフルを構え狙いを定めた。
そして、引き金を引こうとしたその時初めて、猿がしゃべった。

「オレを撃てばお前の母親が死に、撃たなければおまえの父親が死ぬだろう!」
猿はさっきと同じ姿勢でむしゃむしゃモノを食い、たびたび頭やわき腹を掻いた。”


もし、あなたが猟師ならどうするか?
当然、最初から猿を撃ちに森へ行かないというのは不正解である。

ー先日、紹介した「戦場から生き延びて」よりー



これは、両親に連れられて集会に出席した子どもたちには、
誰も答えられない難問である。

語り手も答を示してくれず・・・・・
「もっとよく考えてみる」とお茶を濁したけれどそれも答えになっていなかった。

しかし、心の中ではある答がでていた。
母さんを悲しませるのが怖くてとても口には出せなかったけど・・・・
正解は猿を撃つである。
他の猟師たちが二度と同じ苦しみを味わわないように・・・・・・
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by kounoproclimb | 2009-03-13 16:25
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